
スペイン選手は最高のディフェンダー
From ディレクター

スペインのテニスの特徴の一つですが
スペイン選手は最高のディフェンダーなのです。
アタックよりもディフェンスに重きを置いています。
スペインの選手は、子供のころからミスをしないために
徹底的に長いポイントをしてきています。
もちろん選手はアタックをしたい気持ちはありますが
アタックには多くのリスクが伴います。
またプレイが不安定になるので
いつも勝利を収めることが難しくなります。
それではダメなのです。
プロは、常に勝たなければならないのです。
そしてもう一つ。これは
一般のプレイヤーにも共通することですが
華麗なアタックは、高いセンスが必要です。
つまり、「誰もができるテニスではない」という点です。
高いフィジカルの能力と、持って生まれたテニスのセンスが
備わって、華麗なアタックが打てるのだということを忘れてはいけません。
フェデーラーや錦織選手は、天才です。
きっと何をやってもスーパースターです。
しかしスペインの選手は、けして器用な選手だけではありません。
彼らは、器用ではない分、努力と戦術
そして負けず嫌いという性質でカバーしているのです。
私たちはどんなボールをも追いかけます。
ナダル、フェレール、またはロブレドは現役の代表的な選手です。
もっと前の選手ではアレックスコレッチャとブルゲラがいます 。
スペインテニスではデフェンスは基盤であり
そのスタイルは、一握りの人にしか出来ないもの
ではなく、誰にでもできる
「最も安定した勝利を手にすることができる形」なのです。
デフェンス中心のスペインテニスは自然に
培われてきたものだと思います。
実際、他の国に比べてたくさんクレーコートがあります。
クレーではポイントが長く続きますが
他のサーフィスではそうはいきません。
スペインのコーチ達は選手が小さいころからミスをしないことに
重きをおいて教えてきています。
それがデフェンスにつながってきているのだと思います。
このアカデミーにもたくさんの
外国人の選手が来ますが 、早い展開でポイントを
早く終わらせる考え方を持っています 。
ここでは、それは通じません。
そういう選手は、見た目はダイナミックですが
プレッシャーに弱い、という一面も持っています。
スペインで勝つためには、忍耐、デフェンス、そして
長いポイントが必要です。
そして今では、その考え方が、グローバルになっています。
ストローク主体のテニスが世界中に広がっていて
今では短期決戦ではなく、長いポイントの中で
粘り強く戦うスタイルが主流なのです。