
ツォンガvs錦織圭で見えたこと
From ディレクター

全仏オープン男子シングルス準々決勝が行われ、四大大会初優勝を狙っていた第5シードの錦織選手は
これまで通算対戦成績で相性の良かった第14シードの地元JW・ツォンガ(フランス)に1-6, 4-6, 6-4, 6-3, 3-6
のフルセットの末に敗れました。
優勝、という期待を私たちファンは持ってしまっていただけに
残念ですが、ファイナルセットでのツォンガは強かったです。
乗せたら怖い相手、がホームでの観客を見方にプレイすることで
あれほど良いプレイをここ一番にぶつけてくるのは、ツォンガも世界の一流選手ですね。
第1、第2セットは今年まれにみる、不安定なプレイでミスが先行し
リズムがつかめませんでした。
相手のサービスやフォアが良かった、とはいえ、それよりも目立ったのが
錦織選手のアンフォースドエラー。
サービスが入らず、リターンが返らず、フォアハンドをネットにかけていました。
意気込めば、意気込むほどミスが増える。
その経験は私たち一般プレイヤーにも多くあります。
グランドスラムは5セットですが、私たちの試合の多くは、1セットマッチよりも短い場合がほとんどです。
「立ち上がりに調子がわるい」
「自滅でリズムに乗れない」
という状態であれば、そのまま負けてしまう可能性が高いです。
錦織選手とツォンガとの試合を通じて、改めて
「ミスで流れをつくれない怖さ」を感じました。
途中、ツォンガのサービスを見て、リターンが返らないのなら
ポジションを少し下げれば? と思いました。
なぜならば、錦織選手は、時折、相手の2ndサービスを前に詰めて
ライジングでアタックする時もあれば、後ろに大きく下げる時もあるからです。
クレーコートでの対戦は、多くの選手がポジションを後ろに下げて
レシーブする選択をする場面が見られます。
素人目に見れば、ポジションを後ろに下げれば、反応はしやすくなるが
打点も落とすことになるが・・・ と思い
「ポジションを下げる」のと、「打点を落としてはいけないこと」
どっちを優先するのか、ということを聞いてみました。