
錦織コーチの伝説の試合! 1989年全仏4回戦 マイケル・チャンvsイワン・レンドル!
現在ATPツアーが休止しているため、過去の映像をお送りしています。今回は錦織のコーチであるマイケル・チャンが1989年に全仏を制覇した時の4回戦、チャンvsレンドルの伝説マッチです。
当時17歳だったチャンは2度目の全仏オープン出場で4回戦まで勝ち上がり、世界ランク1位で第1シードのイワン・レンドルと対戦しました。レンドルは全仏オープンをすでに3度制覇している当時の王者でした。試合はチャンが2セットダウンに追い込まれるも、素晴らしいプレーで巻き返し、伝説のファイナルセットに突入します。
ファイナルセットで腹部と太もものケイレンに襲われてしまい、まともなプレーができなくなったチャンは、それでも諦めることなくあの手この手でレンドルに食い下がります。サーブもまともに打てない中、ストロークで中ロブを上げまくったり、そう思ったら今度はいきなり強烈なアプローチ&ボレーをしたり、歩いてボールを打ったかと思えば、いきなりダッシュからのカウンターショットを放ったり。ケイレンを防ぐためとはいえ、タイムオーバーで警告を受けるまでベースラインの後ろで水を飲んだり…と、レンドルをじらしにじらしました。更にはアンダーサーブを放ってレンドルをネットにおびき出し、ネットインのパッシングショットを決めてガッツポーズをするなど、レンドルのメンタルは破壊されました。そしてマッチポイントではサービスライン付近まで前進して構えるプレッシャーをかけ、メンタルを破壊されているレンドルはダブルフォルトを犯してゲームセット。誰もがほとんど目にしたことがないような伝説の試合は、王者が17歳の少年に敗れるという結末となりました。
「東洋のずる賢い鼠」などというあだ名がついてしまったチャンですが、本人は超真面目な天性の勝負師。
その大胆さも「相手の集中力を乱すにはあれしかなかった。」と真面目に計算していました。当時チャンのコーチであったジョセ・ヒグエラス氏も「次の日に生き残るためには、どんなことでもしなければならなかった。」と語りました。
4回戦では物議をかもしたチャンでしたが、その後はいつもの冷静沈着でどこまでもボールを追いかけるファイト溢れるプレーを見せて快進撃を続け、決勝では当時世界ランク3位だったステファン・エドバーグを破って、17歳にしてビッグタイトルを掴みました。ちなみに、このグランドスラム史上最年少優勝記録は未だに破られていません。
それでは、この伝説の試合、マイケル・チャンvsイワン・レンドルの一戦をフルマッチでご覧ください!
レジェンド選手の1人であるレンドルの名場面も紹介します。全仏を初優勝した1984年決勝、vsジョン・マッケンロー戦もどうぞ!