
ウィンブルドン史上最長試合!11時間越えの死闘!
本日は過去の映像をお送りしています。今回は、ウィンブルドン史上最長マッチであり、ATP史上最長マッチでもある、2010年の男子1回戦、ジョン・イズナーvs二コラ・マウの一戦です。
現在は両者共に素晴らしいキャリアを誇る有名人(イズナーは自己最高世界ランク8位、マウはダブル
スでウィンブルドンと全仏のタイトルを持つ)ですが、当時はイズナーが世界ランク19位、マウは予選
を勝ち抜いてきた下位選手でした。
そしてこの両者による伝説のウィンブルドン初戦が始まりました。まず初日は18時過ぎに開始され、
両者譲らずセットカウント2-2の時点で21時を回り、日没順延となりました。翌日、ファイナルセッ
トがスタートしましたが、身長2mオーバーのイズナーと190cmオーバーのマウという2人のビッグ
サーバーは淡々とサービスキープを続け、なんとゲームカウント59-58。この時、薄暗い中、イズナー
が4度目のマッチポイントを握りますが、マウが強烈サーブで切り抜け、59オールで2度目の日没順延
となりました。この日だけで117ゲームをこなした両者は、疲労した身体のケアをし食事を取りベッド
に入るも、イズナーは4時間、マウは3時間しか寝られなかったそうです。
次の日、既に歴史に残る試合となっていたこの一戦を見ようと、会場の門が開かれると同時に18番コ
ートに観客が押し寄せました。試合はこれまで通り、ほぼサービスでポイントが決まるキープ合戦となり、
69-68となりますが、ついに試合終了の時がきました。マウのサービスゲームで、イズナーに5度目の
マッチポイントが訪れます。マウのサーブ&ボレーに対してイズナーがナイスリターン。ボレーが少し甘
くなったところをパッシングショット。これがこの試合のラストポイントとなりました。
試合後、マウが「決して忘れられない試合となった。この試合を見た人も同じように思ってくれれば嬉
しい。」と、疲れ切った表情で言葉を搾り出すと、勝者のイズナーは「こんな試合が可能だなんて思っても
みなかった。とても疲れたけどこんな試合が起こったことが嬉しくもある。」と笑顔で語りました。現在、この世界最長の1回戦の記録は、プレートに刻まれて18番コートに掲げらています。2人の名前はテニス史に刻まれました。 最後に試合のデータ、歴史的記録を書き留めます。
○イズナー(アメリカ) 6-4,3-6,6-7,7-6,70-68 ニコラ・マウ(フランス)
○試合時間/11時間5分(第5セットだけで8時間11分)
○総ゲーム数/183ゲーム
○サービスエース数/イズナー112本、マウ103本
○連続サービスゲームキープ数/168ゲーム
○試合時間の内訳
6月22日(火)18:08~21:03 セットカウント2-2で日没順延
6月23日(水)14:07~21:10 第5セット59オールで日没順延
6月24日(木)15:42~16:48 試合終了
それでは、この試合のハイライト映像をご覧ください! 気の長い方はフルマッチ映像もどうぞ!