
4度目の正直!悲願のウインブルドンタイトル獲得!2001年決勝!
本日は過去の映像をお送りしていきます。今回は、4度目の決勝でついに悲願の優勝を果たしたゴラン・イワニセビッチの映像、2001年ウィンブルドン決勝です。
イワニセビッチが初めて決勝の舞台に立った時の相手はアンドレ・アガシでした。その1992年の決勝は、イワニセビッチの勝利を予想するファンが圧倒的多数でした。というのも、当時グラスコートではサーブ&ボレーが主流で、ネットプレーヤー有利と言われる時代だったからです。ストローカーのアガシが決勝に出てきたことに多くの驚きの声が上がっていました。しかし、それが逆にプレッシャーになったのか大事な場面で精彩を欠いたイワニセビッチは、惜しくもフルセットで敗れました。ちなみに生涯グランドスラムを達成しているアガシにとっての初のグランドスラム優勝が、最も遠い存在だろうと思われたこのウィンブルドンでした。
その後イワニセビッチは2度ウィンブルドン決勝に進みますが、いずれも芝の王者ピート・サンプラスに敗退。メンタルに難ありとも言われ、大事な場面でダブルフォルトやミスを連発してしまうイバニセビッチは、結局ビッグタイトルを獲れないまま、ランキング下げていってしまいました。
そんな中迎えた2001年ウィンブルドン。この時イワニセビッチはすでに30歳。世界ランクは125位まで落ちていたため、ワイルドカードでの出場で、ほとんどのテニスファンは、まさかイワニセビッチが活躍するとは思っていませんでした。しかし大方の予想を覆し、イワニセビッチは快進撃を見せます。3回戦でロディック、4回戦でルゼドスキーというビッグサーバー対決に連勝すると、準々決勝では第4シードのサフィン、準決勝では地元期待のヘンマンという強豪を破り、なんと決勝進出。そして決勝では第3シードのパトリック・ラフターを6-3,3-6,6-3,2-6,9-7の死闘の末破って優勝。彼にとって最初で最後のグランドスラム獲得となりました。
ファイナルセット第16ゲーム、夢にまで見た優勝を目の前に、神に祈るような仕草や、今にも泣きそうな表情を何度も見せ、サービスポイントとダブルフォルトを繰り返すイワニセビッチに、満員の観客が大声援。まるでサッカー場のような雰囲気の中、最後はラフターのリターンがネットにかかりゲームセット。涙を流すイワニセビッチと健闘を称えるラフター。センターコートは感動に包まれました。イワニセビッチは長年の悲願を達成すると同時に、史上初のワイルドカード出場優勝者となりました。
試合前に持病の左肩痛を感じたイワニセビッチは「なんということだ! 頼む!今日だけでいいから動いてくれ!もし今日勝てるならテニスが二度とできなくなってもいい、頼む!」と天使に祈ったそうです。
そして優勝後、その話の続きとして「実は夕べはよく眠れなくて、天使には会えなかったんだ。だからこれからもテニスを続けられるという事だよね。来年はディフェンディングチャンピオンとして、まっさらな初日のセンターコートで試合ができるんだ!当然来年も是非ここに来たいよ!」と照れ笑いしながら語ったそうです。
それでは、この決勝戦のハイライト映像をご覧ください!
「イワニセビッチの優勝までの軌跡」の動画もどうぞ!