
ファイナルセット16-14の死闘!2009年ウィンブルドン決勝!
本日は過去の映像をお送りしていきます。
今回は、総ゲーム数77ゲームの大熱戦となった2009年ウィンブルドン決勝、フェデラーvsロディックの一戦です。
この年は、ディフェンディングチャンピオンのナダルがひざの故障で大会開幕直前に欠場を表明。第1シードを欠いての開幕となったものの、そのことでより一層、フェデラーとマレーに注目が集まりました。全仏オープンでサンプラスと並ぶグランドスラム大会通算14勝を挙げたフェデラーが、単独史上1位となる15勝目を挙げることができるのか?また、第3シードで地元イギリスの期待を背負うマレーが、1936年のフレッド・ペリー氏以来の優勝を成し遂げるのか?
そしてフェデラーもマレーも、順調に準決勝まで勝ち上がります。しかし、準決勝でマレーはビッグサーバーのアンディー・ロディックとの❝アンディー対決❞に敗れ、マレーと英国民の夢は露と消えました。
迎えた決勝戦は2003、2004年の決勝の再現、フェデラーvsロディックとなりました。対戦成績はフェデラーの18勝2敗。フェデラーにとって、この時4連敗を喫していたマレーとの対戦が回避できたのは幸運かと思われました。しかし、決勝の内容は過去の対戦成績を反映していませんでした。立ち上がりからロディックは盤石のサービスキープを続け、フェデラーの焦りを誘います。サービスだけにとどまらず、ストロークも安定しており、ロディック自身「この2,3年で最高のレベルにある」と言っていた通り、ハイレベルなテニスを見せました。ロディックは結局サービスゲームを破られることなく7-5,6-7,6-7,6-3でファイナルセットに突入。そしてまたも拮抗します。8-8の時、フェデラーのサービスゲームで1度15-40がありましたが、ロディックがそれを逃すと、今度は15-14の第30ゲームでフェデラーにチャンスが訪れ、その唯一のブレークを掴み取ったフェデラーが、ついに試合を終わらせました。
フェデラーはこの勝利で、2年ぶり通算6度目の優勝、サンプラスの記録を破ってグランドスラム15勝、ナダルから11カ月ぶりに世界ランキング1位の座を奪還、という何重もの喜びを得ることとなりました。また、合計77ゲームは、ウィンブルドン決勝での最多記録を更新しました。
この試合、ロイヤルボックスで、これまでの記録保持者だったサンプラスが見守っていました。試合後、フェデラーが「来てくれて、ありがとう。」と急遽海を越えて観戦に来たサンプラスに語りかけると、ロディックは「ごめんなさい、ピート。」と、同国人の名誉を守りきれなかった事に対して「ピストル・ピート」に謝罪しました。また、フェデラーは「彼が入って来たのを見た時、実はちょっと緊張した。」と、試合中にもかかわらずサンプラスを意識したことを明かしていました。
サンプラスは「途方もない素晴らしい試合だった。記録を塗り替えた瞬間を見ることができて嬉しい。ロジャーは素晴らしい男で謙虚。そこが好きなところだ。私の考えでは、彼が史上最高の選手だ。」とフェデラーを称え、また「負けたアンディーには厳しいものになってしまったが、彼は勝つに値するプレーをした。あと一歩、ほんの少し及ばなかっただけだった。」とロディックを労いました。
それではこの決勝戦のハイライト映像をご覧ください!
時間のある方はフルマッチをどうぞ!