
フリッツがナダルの連勝を止め、マスターズ初優勝!
男子テニスのBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ/ハード/ATP1000)は20日、シングルス決勝戦が行われ、第20シードのT・フリッツが第4シードのR・ナダルを6-3, 7-6(7-5)で破り、2年9ヶ月ぶりとなるツアー2勝目を、ATPマスターズ1000初優勝で飾りました。
ここまで今季20連勝中のナダルでしたが、準決勝のアルカラス戦で左の胸部から肩付近を痛めメディカルタイムアウトを取っており、状態が心配されました。一方のフリッツも、前日に行われたルブレフ戦で右足首付近を痛めると、決勝当日の練習中にも右足首を捻るアクシデントに見舞われ、テーピングで固めての登場ということで、両者とも負傷を抱えながらの決勝戦となりました。
しかし、実際に動きが良くなかったナダルに対し、フリッツは「試合に向けてたくさん練習を積み、大舞台で決勝まで来たのに、足首の負傷でプレーできないかもしれなかった。ジェットコースターのような感情を味わった。でも幸運なことに、プレーに全く影響がなかった。」と試合後に語ったように、怪我を感じさせないアグレッシブな素晴らしいプレーを見せて粘るナダルを振り切り、2001年のアンドレ・アガシ以来となるアメリカ人チャンピオンに輝きました。
試合後フリッツは、「この大会、特にインディアンウェルズで優勝することは、子供の頃の夢のひとつで、それが叶うとは思ってもみなかった。私は『現実的ではない』とずっと言い続けていた。私はこれまでずっと、偉大な選手たちとの試合に敗れてきたし、彼らはいつも無敵だと感じていた。実際ナダルは今年無敵だった。でも今、決して実現するなどと思っていなかった子供時代からの夢が実現した。これが現実だなんて信じられない。まだ全然実感が沸かない。」と喜びを語りました。
また、ナダルに対しては、「彼の身体が大丈夫であることを願う。明らかに何かあったのだろう。20試合も勝ち続けて、身体がどうなっているのか想像もつかない。」と労いました。
一方、今季の連勝記録が20でストップすると同時に、N・ジョコビッチに並ぶ、ATPマスターズ1000大会史上最多の通算37勝目も持ち越しとなったナダルは、「フリッツはいいプレーをしていた。この1週間、特に昨日は素晴らしい試合をしたと思う。彼が成長していることは明らかだ。彼にとって素晴らしいシーズンとなるだろう。」とフリッツを賞賛しました。
また、自身の怪我については、「正直痛かった。肋骨に何かあるのか、まだ分からない。呼吸するときも動くときも、ずっと針が刺さっているような感じだ。痛くて少しめまいがするし、痛みだけでなく呼吸にも影響するから、あまり気分が良くない。」と明かしました。
試合については、「私はベストを尽くした。もちろん今日は私の日ではなかった。でも、そういうこともある。私はこのような状況での試合をいくつも経験してきたし、やるだけのことはやった。できないことが多かったので、個人的には試合を分析することは難しい。」と語りました。
また、23日に開幕するマイアミ・オープンは欠場を表明していますが、その後については、「今はこの問題(怪我)をできるだけ早く解決し、クレーコートでの挑戦を始めたい。クレーでの練習が始まるのも、この時期のプレーの楽しみの1つ。もちろん、1つ1つの大会がとても特別なものなので、そのための準備をしたいと思う。」と述べ、全仏オープンを見据えていました。
それでは、決勝戦のハイライト映像をご覧ください!
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